「なに奢ってくれんの」
「んー…なにがいい?」
そういいながら商品棚を物色する楓夕、心なしかウキウキしているように見える。
ゆらゆらと揺れる髪の毛、撫でたい…。
「おにぎりとか?」
「えー、それじゃやすいよ」
楓夕は優しい。
別に、楓夕からもらえるものなら何でも嬉しいのに。
「ん、アイスとかは? これ半分こしようよ」
アイスコーナーの前で立ち止まった楓夕が手に取ったのは、真ん中で二つに割れるタイプのアイス。
半分こ…という発想すらかわいい。
どうしよ。
「いいよ。半分こしようね」
「うん」
楽しそう、だなぁ。
楓夕って自分じゃ気づいてないかもしんないけど、俺といるとき周囲にお花が浮いてるみたいに見えるよ。
つまり、幸せそう。
うん、偽りなく、幸せそうってこと。



