( 高嶺SIDE )












春休み、終盤も終盤。
あと二日ではじまる新学期に不安と期待が高まる。




クラス替えが大勝負。
楓夕と一緒になれなかったらもう…。




俺、立ち直れないかも、なんて。





「じゃ、また今度な」





そういって玄関先から手を振る友人に、





「始業式から遅刻すんなよ」





忠告だけして、俺はすっかり暗くなった夜道を歩く。




どうせ高校生最後の春休みなんだしってことで、別のクラスの友人とゲームしたり映画見たりして一日中遊んでた。




スマホを見ると、時刻はもう夜21時を回ってる。




結構遅くなったな…。
はやく帰りたいけど、その前にコンビニ寄ろう。



喉乾いたし小腹もすいた…。




道の途中にあった見慣れたコンビニチェーンに入る。
暗い夜道に、24時間営業の明るい店内はどことなく安心する。





「いらっしゃいませー」





店員のやる気のない声につられてあくびをひとつ。




少し歩いてドリンクコーナーの前へ行くと…。





目を疑った。
気のせいかと思った。