結局。
昼休みを迎えるまで、高嶺は教室には現れなかった。
そんなにバレンタインが嫌だったんだ…と思う反面。
あたしからチョコをもらったところで喜んでくれるんだろうか、という心配も湧き上がってきて。
…なんかね、意気消沈。
「柊木くん、相当めんどくさかったんだねぇ」
あたしの隣でお弁当を食べる咲花がのんきに呟く。
…うん。たぶん、そうなんだと思う。
高嶺がいないせいで今日はあたしたちと一緒にご飯を食べている絢翔も、他人事みたいに笑いながら。
「去年大変だったしなぁ、高嶺のファンとやらの猛攻が」
「…はぁ」
さらにため息をついたあたしに、ふたりは顔を見合わせて。
「…あのさ、楓夕たちって恋人なんだよね?」
と、咲花が呆れながら。
「マジでなにやってんの?」
絢翔がさらに追い打ち。
…ぐぬ。
分かってるから、それ以上なにも言わなくていいよ、友人たち。



