お風呂から上がったら、脱衣所でタオルドライした髪をくしでといて、少しでも可愛く映るように。
…高嶺に好きでいてもらうために必死だよ、あたし。
小さくため息をつきながら、部屋のドアを開けた。
「…楓夕」
名前を呼ばれて、高嶺の顔を見る。
…なに? なんで見つめられてるの?
床に座ったままであたしを見上げる高嶺。
これ以上目を合わせていたらあたしがダメになりそうだったから、サッと目をそらして。
大人しく、高嶺の横に腰を下ろした…瞬間。
「ひゃっ」
突然のこと。
高嶺に腰を抱かれて、引き寄せられた。
…あ、ありえない。
あたしのこと殺す気なの? コイツ…。
今日だけおそろいのシャンプー。
サラサラした高嶺の髪の毛が肌をかすめる。
…視線も、手も、やり場に困るよ…。
「た、高嶺…?」
なんで急に抱き着いてきたの…?
って聞きたいけど、あいにくドキドキしすぎてて息が詰まりそう。



