「だっ……から、そういうのをやめろって…!!」
思わず顔を見上げると、ソイツは。
…ひどく愛おしそうに、あたしを見つめていて。
なんか。
言い返す気力もなくしちゃった。
「どした、楓夕ちゃん。狂犬モード?」
「っ…うるさ」
視線を前に戻す。
こんなやつの顔、真剣に見る方が間違ってた。
しかも、狂犬モードってなんだ。
変なモード追加するな。
…楓夕ちゃんって呼び方も、やめて。
なんか、違和感しかないから。
「かわいいな」
頭、ぽんぽん。
あー…女子から憎悪の目線向けられてる。
キツイ、非常に。
軽々しくかわいいとか言うな。
せめて二人きりのときに…。
…いや、こんなのとふたりきりになる機会とか、あってたまるかって感じなんですけど。
「てか楓夕、昨日あんま寝てないだろ」
突然のそんな発言に、言葉を失う。
いや…なんでわかったの、というよりもまず、突拍子もなさすぎるでしょう。



