「もっ…もしもし」
『ごめん、寝てた?』
電話に出るのが遅かったから誤解させてしまった…。
しかも、ちょっと声裏返った…最悪。
「寝てない」
『そ。ちゃんと部屋掃除した?』
「したよ。高嶺こそ…部屋ぐちゃぐちゃのまま年越そうとしてないでしょうね」
いつも通りの高嶺。
その声色がやけに安心して、また泣きそうになる。
あぁ、どうしよう…。
高嶺に、会いたい。
『めっちゃ綺麗だよ、俺の部屋! また遊びおいでよ』
「そのときにはもう散らかってたりして」
『楓夕…俺のことなんだと思ってんの?』
そんなくだらない会話に、ふたりして笑い合った。
何か用事だった? とか。
これ、なんの電話? とか。
野暮なことは聞かない。
高嶺の声を聞けただけで、どうしようもなく嬉しいから…切りたくない。



