誰よりも輝いていて、とびきり優しくて、気づいたら目が離せなくなっていた。




そして、好きな相手に”好き”と面と向かって伝えられるのは、実はとてもすごいこと。




あたしなんて…自覚してからもずっと、好きだなんて口に出せなかった。
出せるビジョンすら見えなかった。




…でも、いまなら違うかな?



高嶺と一緒にいて、少しは変われたかな?




あたしを好きで居続けてくれた高嶺に、たくさんの勇気をもらったこと、ぜんぶ伝えたい。





柊木高嶺。
学年一のモテ男で、女嫌いの王子様。



通称、『高嶺の王子様』





そして、あたしの好きな人。





高嶺のことを考えていたら、自然と目が潤んだ。
もうダメなの。…抜け出せないの、高嶺から。





…もうそろそろ、年越すかな?




って、ちょうどスマホの画面をつけたときだった。





──ブブ





「わっ…」




びっくりして、画面を凝視する。
突然震えだしたスマホに映し出されていたのは、『高嶺』の二文字。




…あたしが今、これでもかというほど考えていた人。





しばらくぼーっとしていたけど、ハッと我に返って慌てて通話ボタンを押し、スマホを耳に当てる。