【いなかったよ】
…なんて、しょーもない嘘のメール。
本当は高嶺のことが気になって仕方ないし、一緒にクリスマス過ごしたかったなぁ…って思ってるのに。
はじまりは高嶺からだったのに、いつのまにかあたしの方がハマっていそうで悔しい…というのが本音。
家までの道のりをとぼとぼ歩きながら。
頭に浮かんでくるのはアイツの顔ばかり。
なんでこんな好きなんだろ…。
どこがよかったんだろ…。
って、考えてもキリがないことを脳裏に並べる。
しばらくして家に到着。
玄関を開けると、美味しそうな匂いが鼻をかすめる。
うちは毎年クリスマスの夜、ローストチキンを食べるからその匂いだろう。
一気にお腹がすいて、リビングに一直線。
「楓夕おかえり。はやかったね」
「…うん」
何してきたんだろう、というお母さんの好奇の目に耐えられず、あたしはお母さんの目を見ないようにしてイスに座った。
「お兄ちゃんは外で食べてくるって?」
「うん。楓夕も帰ってきたしはやめの夜ご飯にしようか」
お母さんが2階にいるお父さんを呼んで、夕食の時間が始まった。



