そんなの…まだ無理。
高嶺と付き合う勇気なんて、持てそうにない。
…っていうのはただの言い訳。
本当は、今すぐ高嶺をあたしの彼氏だって言いたい。
でも、誰かに告白なんかしたことないから…現実問題、厳しい。
どうしたらすんなり好きって言えるんだろう。
やっぱりムード?
放課後の教室とか?
…そんな、誰が来るかわかんない空間なおさら無理!!
じゃあ、家?
…完全に二人きりの空間っていうのも無理。
じゃあ、レストランで外食しながら?
…知らない人しかいなくても、周りに人がいるってだけで無理。
…絶望。
あたし、どこでなら告白できるわけ?
そもそも、なんて言って告白…。
そこまで考えたところで、不意に視線をあげる。
周りにカップルしかいないのがいやで目を伏せてたわけなんだけど…。
──あぁ、見なきゃよかった。
人混みの中。
遠くの方に高嶺の姿を見つけて、慌てて目をそらしたあと、あたしはその場から逃げ出した。



