「んーっ、疲れた」
でもときどき、楓夕のことがわかんない。
だって、俺のこと好きなのバレバレなくせに、こうやって簡単に男の家に上がり込むんだから。
しかも。
暖房効いてるよっていったら、普通に薄着でくるし。
黒いタンクトップにグレーのパーカー。
下は黒のミニスカート…。
パーカーの前は閉めてるけど、胸あたりまでジッパーを下ろして、フード部分が二の腕のあたりまでずり落ちている。
…目のやり場に困る、普通に。
「ねぇ…高嶺?」
「…ん?」
うわっ、出た。
上目遣い。楓夕の得意技。たぶん無意識。
「休憩しよ」
「…まだはじめたばっかじゃん」
今日は冬休みが始まって二日目。
ふたりで課題を消化しようということになって、俺の部屋で勉強会。
まだやりはじめて30分しか経ってないよ?