「…てか、もうそんなの…」
呟いた高嶺に首を傾げる。
「…いや、なんでもない」
高嶺はまた笑って、あたしの頭を撫でた。
「はー、マジで好き~…」
「ちょっ……」
すり寄るみたいに抱き着かれて、抵抗する余裕もなくなる。
こんなの、無理…。
頭パンクしちゃう。
息できない…。
端的に言うと、高嶺のことが好きすぎて、苦しい。
「俺の楓夕、本気で天使」
「っ…だ、誰が高嶺のっ……」
「ちがうの?」
本当に疑ってないような顔で首を傾げる高嶺に、それ以上いうことはなかった。
…うん、いいよ。
はやく高嶺のものになれるように、がんばるね。
あともう少しだけ待ってて。