正直。
思わなくも、ない。




今はこうしてあたしに付きまとってるけど、どうせ一か月も経てば飽きて話しかけすらしてこなくなるんじゃないかって。




…だけど、あの日告白してきたあいつの目は真剣そのものだったし、それまで無下にしたくはない。



さすがに、そこまで非情じゃないからね。




要するに、今も信じられないわけだ、この男のことを。






「今日もかわいいね」


「……なん、…なんで、朝ごはん食べれなかったの?」





突然の甘いセリフに目まいがして、思わず動揺した。
悟られないように顔を背けてみたものの、きっとコイツのことだし気づいてるんだろうな。




そして、さっきの話を掘り返す。
うまく話を逸らせたかと思ったのに。





「あぁ、だって、一刻も早く楓夕に会いたかったから」


「…っ」




まいった。
柊木高嶺、あたしのことばっかじゃん。




…逃げられない。
直感で、そう思った。