「…で、なに?」
もうすぐ校門、というところでのうのうとあたしの隣を歩くソイツを一瞥して、ため息をついた。
どうせなんの用事もないんでしょ…と、分かってはいるけれど。
「え? 楓夕のこと見つけたから来ただけだけど」
「……」
まぁ、そうだよね。
あたしと朝から話せてご機嫌?
…バカみたい。
そんな鼻の下伸ばしちゃって。
なんで、そんなに、あたしのこと…。
…それ以上考えるのはやめておいた。
なんか、考えても無駄な気がしたから。
「実は今日朝ごはん食べ損ねてさぁ」
聞いてもいないことをつらつらと話し始める柊木高嶺に、二度目のため息をお見舞いしてやった。
…いつまでこんな生活が続くんだろう。
「めっちゃ機嫌悪かったんだけど、楓夕と一緒に登校できたから回復した」
一緒に登校って、こんな短時間で?
…なんていうか、すごく単純。