「新鮮な景色だ」


「っ……」




な、なにこれ!
恥ずかしぬ…っ




下からあたしを見上げてニヤニヤする高嶺は、ひどく嬉しそうですけども…?





「俺の言ってたご褒美ってこれ」


「…ひ、膝枕のために頑張ってたの?」


「そうだよ。悪い?」





悪い…とは言えない空気。
まぁ…どんな形であれ、高嶺のやる気が出たんならよかったのかな。





「ね、楓夕。俺頑張ったんだよ?」


「…うん」




分かってるよ。
誰よりも見てたから。





「頭撫でてよ」


「へっ…!?」





まさかそんなお願いをされるとは思わなくて素っ頓狂な声が出た。



頭…撫でる?
そりゃ、高嶺の髪はサラサラそうだから、ずっと触ってみたいな…とは思ってたけど!!




それとこれとは別って言うか…!





「嫌なの?」




…いや、じゃ、ないです。




あたしは恐る恐る高嶺の頭に手を伸ばして、ゆっくり撫でる。




そんな心地よさそうな顔されたら…。
もっと撫でたくなるじゃん。




…なんだか、高嶺って。




「犬みたい」



「…犬?」




まずい。
声に出てた…。



だけど、直後に高嶺はまた口角を上げて。





「そう、俺犬だからね。…楓夕が飼いならして?」


「~~っ……」





顔、あっつい。
冬なのにここだけ夏だよ!!




…だけど。
またこうして高嶺と笑い合えるのが、幸せで仕方ない。