「…でも、満更でもなさそうだなって思ってます」
「え…な、なんで?」
「先輩、あの人のこと好きそうだから」
ちさくんのことをじっと見つめていたら、ふっと目を細められる。
でも…全然、笑ってない…。
「そんなんじゃ…」
ない、って断言できない。
だって、嘘つくのは得意じゃない。
「じゃあ、聞き方変えます」
「……」
「柊木センパイのことが好きなんですか?」
…やめて、ちさくん。
詮索しないで、これ以上。
そう思うのに、言葉が返せない。
黙って口を噤んで、それから…?
…ちさくんは、いま何を考えてる?
どういう気持ちで、そんな質問をしてくるの?
「…答えられないんだね、先輩」
悲しそうな顔をするちさくんに、相変わらず何も言えない。
…情けないね、あたし。
だけど、まだ高嶺本人にも”好き”って言えてないから…。
「答えたくない、が正しいか」
弱弱しく頷くことしかできないあたしが、ひどく嫌になった。
自信もって好きと言えるのは、いつになるだろう。
そんなことを考えて、お昼休みが終わっていった。



