「俺が告白されてんの見たときさ」
「…うん」
「あの女が顔だけで俺を好きなのが気にくわなかったんだよな?」
そう、だったのかも。
高嶺に言葉にされて、はじめて気づいた。
…あたしのほうが好きだって、謎に意固地になってたから。
「ありがと。…でも俺は、楓夕だけいれば他には何もいらないんだよ」
「…そんなの」
「嘘でも大げさでもない。俺には楓夕だけなんだ」
高嶺の言葉、ぜんぶまっすぐ心に届く。
逃がさない…そんな声色。
「あんな言い方して、ごめんね」
「っ……あ、あたしこそ、ごめ…っ」
「いいよ。楓夕は謝んなくて」
あたしが言い返そうとすると、高嶺はあたしの口を人差し指で封じた。
「その代わり、お願い聞いて?」
「…お願い?」
嫌な予感する…けど。
本当に変なのはあたしかもしれない。
高嶺からのお願いだったら、なんでも聞いてあげたい…なんて、柄にもないことを思う。
「俺、今日選抜リレー出んの」
「…そういえば選ばれてたね」
「うん。でさ」
体育祭当日の今日。
朝からドキドキさせられて、1日心臓が持つか不安です…。
「頑張ったら、ご褒美ちょうだい」



