「ほんっとごめん!! 急にバイトが入っちゃって…」




いわゆる、掃除当番の代わりを頼まれたというものだ。



そんなに懇願しなくたって、どうせきょうは暇だったし全然引き受けるのに。





「いいよ」


「…ホント!?」


「うん」


「ありがと~っ、今度うちのバイト先来てよ! なんかサービスするっ」





見返りとか求めてるわけじゃないけど、もらえるというならもらっとこうかな。



最後の最後まで感謝の意を伝え続けたクラスメイトの女子に手を振って、あたしはマフラーを脱いだ。




床をはいて、窓枠を雑巾で拭きとって、黒板けしを綺麗にして…。




ラスト。
教室内と廊下にあるごみ袋を取り換えて、校舎裏にあるごみの回収箱に出すだけ。





女子ひとりじゃ重労働すぎる…。
すでに息を切らしながら、重いごみを持って階段を下りる。




一旦正面玄関から出て、校舎裏にまわって…。