「うおっ」
男の驚いたような声で、あたしは目を開ける。
そこには、あたしの腕を握ろうとした男…の手を、また別の角度から掴むスラッとした指。
…見覚えある。
だって、これは…。
「た、たかね…っ」
そのときのあたしには、やけにヒーローらしく見えた。
高嶺の顔を見上げて、慌ててその背中に隠れる。
…眉間にしわ寄せて、怒ってたな…。
なんでだろう。
こんな状況なのに、ドキドキがうるさい…。
「殺されたいの?」
いつもより何倍も低い声。
顔は見えないけど、男たちが怯んでいるところを見ると、かなり怖い表情をしてるんだろう。
「なんだよ、お前…。俺らはただ、そのお姉さんと楽しく遊ぼうって提案してただけじゃんね」
楽しく…?
こんなに嫌がってて、楽しく遊べるわけないでしょ。
ナンパしてくる男って、誰もかれも頭が弱いのね…。
「悪いけど、この子俺の女だから手出さないでくんね?」
「…彼氏かよ…」
「けど運がよかったね。もしコイツに触ってたら、お前ら生きて帰れなかったと思うよ」
”俺の女”
…その響きが、脳内で反芻される。
顔は火照って、心音はダイレクトに脳に届く。



