◇
その次の土曜日。
ちゃんと着飾って、髪も巻いて…よし、完璧。
今日は久しぶりに咲花とふたりで遊ぶ。
一応テスト期間中なんだけど、まぁ息抜きも大事ってことで…。
「あ、楓夕~」
「ごめん…おまたせ」
「待ってないよ」
ニコニコ。
あたしのほうが遅れて来たのに怒る気配がない咲花は、やっぱり聖母だと思う。
「楓夕ってラフな格好も似合うからずるいよね」
「…そ、そう?」
「うん。写真撮って良い? 柊木くんに送る」
「ヤメテ」
「あは。柊木くんが見たら悩殺なのにな~」
悩殺って…。
別に普通でしょ。
「じゃ、行こ」
「…うん」
咲花の発言のせいで、それからしばらくは高嶺のことが頭を支配してた。