「それでさ、今日絢翔が…」
全然話が頭に入ってこない。
咲花のせいだ、絶対…。
今日に限って、高嶺から一緒に帰ろうと誘われてしまい…。
校門を抜けたあたり、何も言わないあたしを不思議に思ってか高嶺があたしの顔をのぞき込む。
「…楓夕?」
「な、なに」
「なんか元気ないじゃん」
「…そう、かな」
普通だけどね。
どっからどう見ても、うん。
…なんて、見栄張ってみちゃったりして。
「俺といるのに考え事?」
「いや…」
「まさか、他の男のこと考えてた?」
「それは断じてっ……」
思わず勢いで否定してしまって、驚いた顔の高嶺を前に恥ずかしくなって顔を伏せる。
…考えてないよ。
むしろ、高嶺のことで頭がいっぱいなのに。
「じゃあなに?」
「…そ、れは」
ええい。
ここまで来たら、もう言っちゃえ。
「高嶺…誕生日おめでと…。プレゼント用意できなかったんだけど、あの…」
かぁっと顔が熱を帯びる。
火、出てる。絶対。
「…ぷ、プレゼントは、あたし…とか……言ってみちゃったり…して…」
余韻がすごい。
だって恥ずかしくて、こんなの言い切れないよ!



