「……」
なった。
ばっちり、なった。
隣同士に並びながら大人しく映画を見ていたんだけどね。
…ラブシーンあるの、知らなかった。
ヒーローとヒロインが、少し深めのキスを繰り返す。
「…先輩?」
「へっ」
「顔赤いよ」
うそ…。
サイアク。
よりにもよってちさくんに見られるなんて…。
いや、誰に見られても嫌だけど。
だってこんなの、ドキドキするよ…。
自分でも経験したことないキスシーン、他人のものを先に見ることになるなんて…。
「このヒーローとヒロイン、リアルでも本当に付き合ってたらしいですよ」
「へ…へぇ」
どこからそんな情報を。
と、よく見たらちさくんの手にはスマホ。
リアルタイムで調べながら見るとか…よっぽど見てるのがヒマだったのかな。
「ドキドキしますか?」
「…うん」
「かわい」
ふっと微笑まれて、余計心臓が破裂しそう。
もうダメ…クラクラする。



