( 楓夕SIDE )
◇ ◇ ◇
修学旅行二日目の夜。
おなかいっぱいになって眠くなりながら部屋へ戻っていると…。
「あ、浅桜さん…ちょっといいかな?」
突然、クラスの男の子に呼び止められた。
それまで一緒に歩いていた咲花たちも、ニヤニヤしながら「行ってきなよ」なんて言ってくるし…。
えぇ…?
あたし、この空気知ってるよ。
たぶん、高嶺に知られたらとてもめんどくさい。
女子軍団がいなくなったあと、ホテル内の人通りがほぼない静かな場所へ。
やだなぁ…。
何回経験しても慣れない。
「浅桜さん」
「…はい」
「好き、なんだけど」
高嶺のときと合わせて、三回目の告白。
あぁ…困るなぁ。
クラスの男の子だし。
強く断れないよ…。
「…浅桜さん?」
「あ、ごめん…」



