「あ…高嶺…?」
「なにしてんだよ、楓夕っ…」
違う。
楓夕を責めたいわけじゃない。
ちゃんと見ててやれなかった俺も悪い。
だから…できるだけ、笑うんだ。
「迷子になるなんて、ガキかよ」
「…ご、ごめん」
情けないと思っているのか、恥ずかしそうに目を伏せる楓夕。
「電話かけようとしたら充電切れで…」
「ふ…そういう抜けてるとこ、マジで可愛い」
「っ…せ、責めないの?」
不安そう。
大丈夫だよ、楓夕。
「なんで? 楓夕が無事でよかった」
その潤んだ瞳もね、俺を見上げるから、大好き。
俺は、どこにいても楓夕を見つける。
ずっと隣にいるよ。
「あ…ありがと…」
照れたように顔を伏せる楓夕。
うん。もっと情けなくていい。頼りなくていい。
楓夕のこと、俺に守らせて。
「…また迷子になるといけないから、手つなぎませんか」
俺の提案に、楓夕は少し迷いながら、おずおずと手を差し出してきた。
たまに素直なのもね。
──たまんない。



