悩みながら恐る恐る、ちさくんがいるであろう1年3組を覗く。
…いた。
やっぱり、ひときわ目立つなぁ、ちさくん。
髪色が派手というわけでもないし、顔が見えてるわけでもないのに、どこか輝きを放ってて…オーラっていうのかな。
とにかく、見渡すまでもなくちさくんのことを見つけることができた。
すんなり呼べばよかったんだけど…。
あいにく、ちさくんはひとりじゃない。
目の前にかわいらしい女の子。
…楽しそうに喋ってる。
邪魔したら悪いかな…と、声をかけるのをためらう。
なんだか、新鮮だ。
思えば中学のときだって、ちさくんと部活以外で絡んだことはほぼなかったから、友達と喋る姿でさえ見たことがなかった。
…うん、ちさくんも大人になったってことだね。
なんて。
勝手に感慨深く思っていたら…。