…あ、このイルカモチーフのやつ、かわいいけど普段使いできるかな…。
それだったら、こっちの丸いチャームがついたやつのほうがいい気がする。
視線をずらしていくと、シルバーリングのコーナーにたどり着く。
あたしには似合わないけど、でも…。
…ちさくんに似合いそう。
もうずっとお世話になってるのにお返しとかしたことなかったし、プレゼントしようかな。
いつもお弁当届けてくれるしな、感謝の気持ちもこめて…。
「ふーゆっ」
「ぎゃっ」
び、びっくりしたぁ。
突然うしろから肩を持たれて震える。
高嶺しかいないんだけど、分かってても驚くよ。
もうちょっと登場の仕方考えて…。
「買うの決まった?」
「あ、うん」
高嶺の手元を見ると、しっかり袋が握られていたから、もう会計を済ませたんだろう。
「俺、店の外で待ってるね」
「ん」
高嶺と一旦別れて、あたしはレジに並ぶ。
よかった…。リングを持ってるところを見られたら、「楓夕そんなのつけるっけ?」と突っ込まれかねない。
そのうえ、ちさくんにプレゼントするなんて知られれば…。
ゾワ。ほんのり、背中に寒気が走った。



