「俺が楓夕のことわからないわけないでしょ」
「…え?」
聞き返しても、高嶺はそれ以上なにも言わなかった。
服を手に取りながら、「これいいかもー」とか言って笑っている。
…変な高嶺。
あたしだって、もっと高嶺のことわかりたいのに…。
ひとりだけ、ずるいよ。
置いていかないで。
「楓夕は自分のもの買わなくていいの? 俺待ってるから見てきなよ」
高嶺もゆっくり服を見たいんだろう。
あたしはその提案に頷いて、適当に店の中をぶらつくことにした。
特に服がほしいわけでもないしなぁ…。
視線をきょろきょろさせていたら、アクセサリーコーナーが目についた。
さっきのアクセサリーショップみたいなのは華やかすぎて似合わないけど、こういうちょっとラフっぽいシンプルなやつならいいかもな…。
そのコーナーに近寄って何個か手に取ってみる。



