「楓夕、お昼食べた?」
ショッピングモール内に入って飲食店エリアを通り抜けようとしていたところ、高嶺に聞かれた。
どうしよう…。
今日はあくまであたしのプレゼント選びに付き合ってもらうだけの予定だったし、ご飯も食べたいなんて言ったら嫌かな。
高嶺の都合なんか知ったこっちゃないけど、時間取らせすぎるのも気が引けるし。
「いや、あたしは…」
食べてきた、と嘘をつこうとした瞬間。
ぐぅ…と音を立てておなかが鳴った。
モール内は騒がしいし、高嶺には聞かれていないだろうけど。
なんとなく恥ずかしくて、すこし慌ててしまった。
「あ、あたしは食べてき……」
「ご飯食べよっか」
「…へ?」
改めて言いなおそうとしていたらそんな提案をされて、思わず高嶺の顔を見上げる。
いつも通りの優しい笑み…。
え? なんで?
「ふは、楓夕って分かりやすいもん。おなかすいたんだろ」
「…う」
「しかも、俺に遠慮とかいらないから」
え…。
そ、そんなところまでバレバレ…?
「この前、楓夕と一緒に帰ったとき言ったの覚えてる?」
「…ん?」
「楓夕といる時間少しでも伸ばしたくて欲しいもんもないのにわざわざコンビニ寄ったの。あんなことしちゃうくらい、俺は楓夕と一緒にいたいって思ってんの」
…あぁ、なんでこの男は。
こんなにもあたしのことが好きで仕方ないって、こんなにも信じ込ませてくるんだろう。
「…だから、俺は楓夕と一緒ならどこへでもいくよ」
”一緒”
やたら強調されたその言葉が、余計にあたしの頬を火照らせた。



