「ちがうし」
目を細めた、高嶺。
「じゃあもうついてってあげない」
…そして、あたしの敗北。
「嘘。高嶺がよかった。だからついてきて」
情けないなぁ。
咲花、クスクス笑ってる場合じゃないよ。
「…はぁ、うん。俺以外に頼んでたら怒ってた」
なんでため息つかれたんだ。
でもまぁ、無事についてきてくれるみたいでよかった。
怒られるのは御免だからね、高嶺に頼んで正解。
「じゃあ、今週の土曜日とか空いてる？」
「空いてる。てか、空いてなくても空ける」
「…いや、別にそんな忙しくないからいつでもいいんだけど……土曜日のお昼くらいに集まろ、場所はまた言うね」
全女子の夢、柊木高嶺とお出かけ…をこんなにもあっさり叶えてしまえるとは。
これはまた…多方面から睨まれそうだなぁ。
