基本、女子の名前も顔も覚えない俺がそこまで思い出せるのは奇跡に近かった。
それから教室へ戻ると、そのすれ違った女子が同じクラスの後ろの方に座ってた。
同じクラスだったんだ…。
隣の女子と、なにやら楽し気に話している。
あんな顔して笑うんだ、とか。
下の名前なんていうんだろう、とか。
だんだん興味が湧いてきて、気づけば俺は楓夕のことばっかり考えていた。
他の女子が話しかけてきても、俺は相変わらずの無視。
浅桜、話しかけてこねぇかな…って考えてた。
今までの俺からしたら、女子から話しかけられるのを待ってるなんて前代未聞。
自分でも自分のことがわからなくなってた。



