『やべー、浅桜さんと目合っちゃった』
『やっぱ普通に目の保養だわ。あれと付き合えるのってどんなイケメンだよ』
『いや、そこは俺が』
『お前じゃ絶対ムリ』
一年の頃、よくそんなクラスメイトの会話をそばで聞いてた。
『それこそ、高嶺みたいなさぁ』
『…俺?』
そして、”浅桜楓夕と付き合えるのは高嶺くらいのイケメンしか許されない”と勝手なことを言われたものだ。
『わかるわ。てか、お前マジで女子興味ないよな』
『バカ、高嶺は興味ないんじゃなくて女嫌いなんだって』
何度言われても気持ちは揺るがない。
女なんてしゃべるだけ無駄。
『でも俺、体育祭のとき写真撮ってもらったよ』
『マジ? 浅桜さんと?』
そういって写真を見せられた。
クラスメイトの男と、その隣に映る儚げな女子。
控えめなピース。綺麗な弧を描く口元。
…写真じゃ、可愛いって言われても伝わんねぇよ、と思いながら。



