「おはよ、おふたりさん」
咲花に嫌な視線を投げつけていると、突然誰かに声をかけられた。
こちらも、いやというほど聞いた声。
「絢翔(アヤト)くん、おはよー」
先に挨拶を返したのは咲花のほうだった。
あたしはワンテンポ遅れて「おはよ」と返す。
綺麗に染め上げられた金髪が、日光に照らされて余計まぶしい。
制服も着崩したりして校則違反上等な彼の名前は、広瀬(ヒロセ)絢翔。
さっきまで柊木高嶺と話してたはずなのに、いつのまに抜けてきたんだ…。
そう、この男は、どうやらアイツの一番の親友。
いつも一緒にいるから、嫌でも目に付く。
だって目立つし。
この金髪に、この整った顔。
モテるといえば、絢翔も例外じゃない。
ちゃらんぽらんとしていそうなのに、女関係には厳しくて、周囲の異変にすぐ気づけるほどの洞察力。
正直言って、少しだけ尊敬してる。



