【短編】人気者な後輩の甘い意地悪






「そんな逃げなくても」


「いや…誰でもこういう反応になるよ…」




天城くん。
自分の影響力を理解してないでしょ。



拗ねたふりをして天城くんを見つめると、彼は少し楽しそうに口角をあげた。





「ごめんなさい。ただ、隣に俺がいるんだから、直接俺のこと見ればいいのにって思ったんで」






反論する言葉もないけど、だけど…。
そんな発言、天城くんには似合わないよ…。





「緊張します?」


「…う、ん」





少しずつ、目を見れるようにはなってきたけど。


まだ、五秒以上は無理だ。
すぐにいたたまれなくなって逸らしてしまう。





「ねぇ、先輩。知ってる? 人間って7秒以上見つめ合うと恋に落ちちゃうらしいですよ」





…7秒なんて、到底無理!!
心臓が縮む。寿命も、ついでに。



…そんな余裕そうな顔しないで、天城くん。