「…私も、東都が大好き。好きすぎて、おかしくなりそう」
触ったら火傷しそうな頬も、潤んだ瞳も…東都だけなら見せられる。
「…っ俺だって、もうとっくにおかしくなってる。凛子先輩だけじゃねーよ」
だから…そういう余裕のなさそうな表情も、これから一生私だけにして欲しいの。
東都が自分のことを重い重いって言うけれど、私だって同じ。
私は東都しか見えないし、東都も私しか見て欲しくない。
人より独占欲が強すぎて、たまに面倒くさいとか思っても…本当はぜんぶ嬉しいんだよ。
「…先輩、1個だけワガママ言っていい?」
「…なに?」
「璃玖、って呼んで」
耳元で響く、甘い低音。
「っ、!!」
「…だめ?」
私が断れないことをわかって言っているからずるい。
「…り、く」
「…もーちょい大きく」
「〜〜っ璃玖…!」
やっとの事で下の名前を呼べば、愛おしそうに私を見つめる瞳とぶつかった。
きっとそれは、私がこの人に愛されていて、私も同じように愛しているから。



