医師達が出て行き、郁と碧の2人きりになる病室。

郁は熱の影響で浅い眠りを繰り返していたが、度々愛おしそうにお腹をさすっている。

ベッドサイドの碧と目が合っては、ほっとした様子で、弱々しくも優しく微笑んでいた。

郁の手を握りながら、心から愛しいと感じる碧。


神様がいるのなら、郁にばかり辛い試練ばかり与えることを恨む。

でも、今だけは、たとえ自分の命を引き換えにでも、彼女を救ってあげて下さい、と碧は祈った。