「っ…お、俺、先戻っとく!!」
「あっ」
森くん…走って行っちゃった。
もう、琉架くん、どういうつもり?
「星花。…なにしてたの?」
へ? な、なにしてたのって、別に…。
「このココアも、あいつに奢ってもらった?」
その通りだけど、なんで…。
「なんで、触らせてんの」
…なんで、はこっちのセリフ。
琉架くん。
どうして、怒ってるの?
「…ちょっとこっち来て」
連れられたのは階段下。
ここは廊下からも死角になってて、のぞき込まない限り見られる心配はない。
そして。
あたし、壁に追いやられ。
琉架くん、いわゆる壁ドン状態。
…なにこれ。
なんで詰め寄られてるんですか?
「正直に答えて、星花」
そして、冒頭に戻る。
「言わないと、口塞ぐよ」
そんな意味の分からないことを言われながら。



