【短編】琉架くんは幼馴染を甘やかしたい






「なにがいい?」


「…ココア」





さっきの発言が気になるけれど。
まぁ、いいや。
タダでドリンクゲットしてあたしは機嫌いいから。




「嬉しそうだなぁ。よかったね、白石」


「うん、ありがとう」




ふっと笑いかけて、ココアを一口。
…おいし。





「あ…ど、どう?」


「おいしい。森くんの愛がこもってるからね」






あれ…?
なんか。森くん、顔が赤いような気がするけど。





「そ、…え? 愛、って…」


「どしたの」





しどろもどろになっている森くん。
その様子は傍から見ていて面白いけど、なんか変だよ。





「いや……、白石のそれって、天然?」


「…なにが?」





首を傾げたあたしに、森くんはため息。
失礼な。幸せ逃げるよ。





「天然みたいだな…」


「だからなにが?」





意味不明な森くん。
あたし、地頭はいいほうだって自画自賛してたんだけどな。


そんなあたしにもわからないや。