【短編】琉架くんは幼馴染を甘やかしたい












「学級委員ー、ちょっといいかぁ」




休み時間。
先生に呼ばれた。



あたし、白石星花。
実は学級委員も務めてたりする。




同時に席を立ったのは、同じ学級委員の森(モリ)くん。
ふたりして先生のところへ歩を進め、要件を聞く。





「さっきの授業で使った辞書な、資料室まで運んでおいてくれ」


「えー…」


「はい」





嫌そうな森くんに、とりあえず返事をするあたし。
辞書って…。
絶対重いよ。無理だよ…。




あとはよろしく、と先生が教室を出て行ったあと、森くんと顔を見合わせる。





「やるかぁ」


「だね」





ふたりで手分けして辞書を抱える。
もうね。想像以上に重いけど、そんなこと言ってられない。



貴重な休み時間を割いてんだから…。