「…なんか、ご機嫌だね、星花」
なんてこった。
まさかあのぼんやりとした琉架くんにまで見破られてしまうとは。
「今日は珍しく朝ごはん食べたからね。寛大なんだよ」
ふふん、と鼻を鳴らした。
だけど、あたしが予想していた反応とは裏腹に、琉架くんは不思議そうな顔をする。
「そういや、なんで星花はいつも朝ごはん食べてこないの?」
…え?
あたしの朝は、自分の朝食をとることよりも先に琉架くんの家に行くところからはじまる。
あわよくば琉架くんの家でご飯食べれたらいいなぁといつも思うんだけど、たいてい琉架くんの身支度に世話を焼いていたら時間がなくなっていたりするわけ。
…だから、そう!
あたしが朝ごはんを食べられないのは、琉架くんのせいなんです。
「…てかそれってさぁ、一秒でも早く俺に会いたいからだよね」
琉架くんが。
いつも通り、ぼーっとしながら呟いた。
生気を失った声色。
…なのに、どうしてこんなにあたしの胸をドキドキさせる?