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いいお天気。
10月の風はすこし心地いい。
いつもより上機嫌で歩く通学路。
隣には気だるげな男、一名。
「…ねむ」
眠いって思うから眠いんだよ、と心の中で突っ込みつつ、それには触れない。
あたし、白石星花(シライシ セイカ)。
この春高校生になったばかりの16歳。
ぴちぴちJKってやつだし、たぶんね。
そしてこの隣で数秒に一度あくびをこぼしている輩。
名前は、小柴琉架(コシバ ルカ)。
同じく16歳。
琉架くんとは生まれた時から一緒。
もう、ほとんど兄弟というか家族みたいなもん。
どっちかっていうと琉架くんのほうが弟っぽいかな?
小学校、中学校と一緒にあがってきて、なぜか高校まで一緒。
こうしていられるのもあと数年だよなー、と思いつつ。
琉架くんの隣にいられるのがうれしいなんて、本人には言わない。
そう。あたしたちは、いわゆる幼馴染。
仲の良さは…まぁ、普通。
毎朝あたしが琉架くんを叩き起こしに行ったり、一緒に登校したりする以外は、ホント普通の同級生となんら変わりない。