【短編】琉架くんは幼馴染を甘やかしたい






「まだ俺のこと好きじゃないって言い張るつもり?」


「…琉架くんのことは、好きだけど…」


「幼馴染としてじゃなくてさ。もっとあるでしょ、男女間だったら」





幼馴染としてじゃない”好き”って、それは例えば…。





「そう、例えば、”恋”とかね?」





ーーありえない。




心の中で叫んだ。
心臓に亀裂が入ったみたいだった。





「い、いや、ありえな…」





口に出そうとして、喉に何かが突っかかった。
だって、変だ。



ただの幼馴染だって。
弟みたいな存在だってわかってるのに。




胸が泣き出しそうなほど苦しくて、言って楽になりたいと叫んでる。





「…ね。星花は、自覚してないだけだったんだよ」






そんなはずない。
…なんて、言えない。




あぁ、どうしよう、神様。



こんなとき…あたしは、どうしたらいいんですか。