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家に帰ると、本当にパパとママはいなくて浬恩とふたりきりになった。
告白したあとだから気まずい。
浬恩との時間が欲しかったはずなのに、こんなふうになるとは……っ。
「まずはお風呂にしましょうか。準備をして参りますので、詩架さまはお部屋でお休みになられてください」
浬恩は率先して次の支度をしてくれる。
優秀すぎて行動の速さにキュンとしてしまったけど、これじゃあいつもの生活に逆戻り。
ほかの執事やメイドはいないし、この流れだとぜんぶ浬恩がやってくれることになる。
休まずに仕事ばかりしてたら疲れちゃうよ。
わたしもなにか浬恩にしてあげたい。
そ、そうだ!
夕食を作るのはどう?
料理の経験はほとんどないけど、スマホで料理動画を見たりしているからいけるはず!
さっそく浬恩に伝えてこよう。
大浴場に向かって浬恩に声をかけた。
「浬恩〜」