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デートの日はすぐにやってきた。

浬恩も私服になってもらうようにお願いして、わたしの部屋の前で待ち合わせをした。

時間になったら浬恩が迎えにきてくれる。


うぅ、緊張する……!

ちゃんとデートできるかな。

女の子らしくいられるかな。


……可愛いって思ってもらえるかな。


実は、今日のために新しいワンピースを買った。

友達には執事とお出かけするなんて言えないから、普通にお出かけ用って話で買い物に付き合ってもらって。


せっかくだからコスメも新調して一生懸命練習して。

今日のために頑張った。

あとは浬恩に女の子として意識してもらえるようにするだけ。


まずは心から可愛いって思ってもらいたいな……っ。


——コンコン



「詩架さま、ご準備はいかがでしょうか?」