……彼氏?
俺が、詩架の……?
「いいのですか?」
限定とはいえ、最高すぎるシチュエーション。
詩架が俺をデートに誘う理由がわからなくなってきた。
「うん! 将来の予行練習をしたいの!」
最後のひと言に、俺の期待が崩れ落ちた。
将来の……。
詩架はどんなヤツを想像してんの?
いちばん身近にいる異性だからって、俺を練習台にするの……?
そんなの協力してあげられない。
だけど、気持ちは詩架と出かけたいほうが大きかった。
それなら、最高のデートにして、俺でいっぱいにする。
俺を好きだって想ってもらえるように。