*
「あれ、雨?」
放課後になって帰ろうとした、正にその時。
昇降口を出たとたんに、大粒の雨がポタッと一粒頬に当たって、思わず顔を上げた。
「芙結、傘は?」
「降らないと思ってたから、今日は持ってきてなくて」
それを聞くなり、隣にいる瑞貴が自分の通学バッグをゴソゴソと探り出した。
「はい、折りたたみ傘。一本しかないから、入っていきなよ」
瑞貴がニコッと笑って取り出したのは、鮮やかなブルーの傘。
私は、男子で折りたたみ傘を持ち歩いている人を、他に知らない。
「すごいね。女子力高すぎない?」
カバーから取り出して傘をバサッと広げる隣を見て、一応女子である自分が情けなくなる。
「そんなことないよ。芙結が傘忘れた時に、相合傘するために持ってるだけだし」
「あれ、雨?」
放課後になって帰ろうとした、正にその時。
昇降口を出たとたんに、大粒の雨がポタッと一粒頬に当たって、思わず顔を上げた。
「芙結、傘は?」
「降らないと思ってたから、今日は持ってきてなくて」
それを聞くなり、隣にいる瑞貴が自分の通学バッグをゴソゴソと探り出した。
「はい、折りたたみ傘。一本しかないから、入っていきなよ」
瑞貴がニコッと笑って取り出したのは、鮮やかなブルーの傘。
私は、男子で折りたたみ傘を持ち歩いている人を、他に知らない。
「すごいね。女子力高すぎない?」
カバーから取り出して傘をバサッと広げる隣を見て、一応女子である自分が情けなくなる。
「そんなことないよ。芙結が傘忘れた時に、相合傘するために持ってるだけだし」



