嘘つき運命ごっこ



瑞貴と一緒に教室に入ると、すでに来ていたリサが自分の席にひとり、暇そうに座っていた。


「おはよう、リサ」

「あっ、芙結ちゃん!待ってたの!」


声をかけると、パッと花が咲くような笑顔でリサが席を立った。


うーん、可愛い……。

無表情の時点ですでに可愛いけど、笑顔になると三割増し。


「リサ、何か急用だったの?」

「ううん、芙結ちゃんに会いたかっただけなの」


ワンコがしっぽを振るみたいな、パタパタと左右に揺れる幻覚が見えるよう。


「リサちゃんって、本当に芙結が好きだよね」

「瑞貴くんは、いつも芙結ちゃんと一緒でずるい……」


リサは私に隠れるようにして、瑞貴を恨めしそうに見る。

以前、瑞貴なら平気と言っていたけど、それでも本当に、男子が苦手なんだな。