「瑞貴、あのね……放課後、時間ある?」

「うん、あるよ。なくても、芙結のためならいくらでも時間作るよ」


リサと別れ、教室に入って瑞貴の前に立つ。

恐る恐る紡いだ言葉に、返ってきたのはいつも通りの瑞貴だった。

きっと、作業か何かを手伝わせるつもりだと思っているに違いない。

少し遅れて教室に入ってきたリサが、私を見て笑う。

そして、こちらに手招きをして、私は瑞貴から離れた。


今でも、ふたりの赤い糸が繋がっているところを目の前で見るだけで、胸がギュッと縮むみたいに痛くなるけど……。


「芙結ちゃん、伝えた?」

「う、うん、放課後に……って」

「よかった。絶対に大丈夫だよ。梨沙子のお願い、ちゃんと聞いてね」


不思議。
リサは、私が好きな人と繋がっている、張本人なのに。

本当に、大丈夫な気がしてきた。


「……うん。頑張る」