*
学校に着いて、校門を通ってすぐのところで、若菜がうつむいて立っていた。
昨日ほどけた赤い糸は、まるで最初から何も無かったかのように、どこにも見当たらない。
「……若菜」
「あ、芙結。待ってたんだ」
若菜に声をかけて、私が目配せをする前に空気を読んだ瑞貴は、小さく手を上げて「教室で待ってる」と、その場をあとにした。
瑞貴の背中が見えなくなるまで見送って、若菜に向き直る。
若菜も泣いたのかな。
腫れてはいないけれど、目が赤い。
「芙結、あのね、言いたいことがあって」
「うん……」
若菜は緊張した面持ちで、すうっと息を吸い、右手にぎゅっとこぶしを作った。
「私、杉尾先輩のこと、諦めることにした。応援してくれたのに、ごめんね」
学校に着いて、校門を通ってすぐのところで、若菜がうつむいて立っていた。
昨日ほどけた赤い糸は、まるで最初から何も無かったかのように、どこにも見当たらない。
「……若菜」
「あ、芙結。待ってたんだ」
若菜に声をかけて、私が目配せをする前に空気を読んだ瑞貴は、小さく手を上げて「教室で待ってる」と、その場をあとにした。
瑞貴の背中が見えなくなるまで見送って、若菜に向き直る。
若菜も泣いたのかな。
腫れてはいないけれど、目が赤い。
「芙結、あのね、言いたいことがあって」
「うん……」
若菜は緊張した面持ちで、すうっと息を吸い、右手にぎゅっとこぶしを作った。
「私、杉尾先輩のこと、諦めることにした。応援してくれたのに、ごめんね」



