嘘つき運命ごっこ

ハッと気がついた頃には、天童さんの姿はどこにもなかった。

ただ、おばあちゃんを繋ぐ赤い糸だけは残っていて……。


「お、おばあちゃん……、今の人が友達なの?」


自分の胸の音がうるさくて、上手く喋れない。


「そうよ、天童さん。あちらも、ずいぶん前に奥さんを亡くされてね。独り身同士、暇を持て余して、たまにお茶をしているの」


おばあちゃんは、嬉しそうにお茶を口にする。


「おばあちゃんは……、好きなの?あの人のことが」

「え?やだ、そんなんじゃないわ。おばあちゃんには、おじいちゃんがいるでしょ?目の前からいなくなったからって、心変わりなんてしないのよ。おばあちゃんには、ずっとおじいちゃんだけ」


それなら、ねえ、おばあちゃん。

どうして赤い糸が……。