嘘つき運命ごっこ

──ピンポーン。

こんなに高く、頭に響くような音だったっけ……。

胸の音がうるさい。

大丈夫。
おばあちゃんの赤い糸さえ確認出来れば、それで。


「はーい。どちら様?」


聞き慣れた優しい声が、家の中から聞こえてくる。

ゆったりとした足音が、目の前で止まる。


ガチャッと音を立てて開いた扉の向こう側に、待ち望んでいた顔があった。


「あら、芙結ちゃん」


私を見るなり微笑む顔と、ドアノブをつかむのは右手。

小指には赤い糸が結ばれていた。