嘘つき運命ごっこ

目を閉じると、そっと手のひらが後頭部に触れた。

直子さんにますます心配をかけてしまう。


「すいません、直子さん、本当にだいじょう……」


まぶたを開けて、隣を見る。


そこにいたのは、直子さんじゃなかった。


「え!?ま、学さ……!?」

「母さんじゃなくて、悪い」

「いや、あの、……!?」


視界を動かすと、直子さんはすでにキッチンで料理の続きに戻っていた。


真っ赤になっているはずの私の顔を見ながら、学さんは頭を撫でてくれている。


「頭、痛いのかと思って」


違うと言いたいけれど、声が出ない。


初対面で運命の人と発言した私に、冷たかった学さん。


それなら、……今は?